インターアート7セレクション
香月 「ジオメトリーセット」
香月「ジオメトリーセット」
会期|2024年3月13日(水)~3月24日(日)
時間|水-金13:00-19:30 土日祝12:00-18:00 月火休廊
会場|Gallery TK2 東京都中央区日本橋久松町4-6 杉山ビル4F
東日本橋駅、馬喰横山駅から2~3分、馬喰町駅から6分、小伝馬町駅から8分
https://www.interart7.com/katsuki
作家ステートメント:
幾何学とは直線であり、あらゆる事物の根源かつ究極の形である。私はキュビスム的表現に則って幾何学的図形を用いつつ、あるいは具体的なモチーフを簡略化することによってフォームを崩して自己表現を試みる。ここでは数学・学問としての幾何学ではなく、ドローイングに用いるような単純な線や形として表層的に捉えるものである。
霊魂やエネルギー、夢など私にとって目に見えない領域の世界について常に漠然と考えている。その中でふと何かが脳内で浮かんだような気がして瞬く間に忘れてしまう。しかしそれを思い出そうとすればするほど上手く言葉として残しておくことが難しく感じると同時に、記憶とは泡沫の如く実に心許ない存在だと気づかされる瞬間が幾度とあったことだけをよく覚えている。言葉ならない程に弱い領域の記憶をいかなる方法で残すか、いかなる形として絵に留めるか、可視と不可視の境目に区切りを付けていくようにしながら描画方法やその効果とともに探求する。
私の絵に完成図(エスキース)は特にない。不可視の領域の表現とはいえ、描画材の材質や特性を活かしたテクスチャーの凹凸、色面のイメージ、キャンバス上で起こるメディウムの破壊・再構築など、可視の領域による様々な外的刺激を経て絵は展開し、記憶や目前の情報との擦り合わせ・淘汰を繰り返して更新し続けるからだ。時にはスケッチやドローイングといったアナログ画や3DCGソフトで自作したデジタルチックかつ幾何学的平面のパターンを参考にしつつ、それによって生まれたものから次に生まれるものへとアイデアの繊維を紡いでいく・またはその周辺を取り巻く景色を模索しながら絵画構成していく方法によって、誰にとっても未踏の領域を垣間見る。
頭、体、手、筆などを介してアウトプットされたこれらは自己を形成するための一要素を確かに担っており、媒体による偶然性と必然性を伴った経験が画面上へ螺旋状に絡み積もっていく。断片的で歪な記憶同士を継ぎ合わせて全く新しい形へと昇華する。制作過程の大枠はややオートマチックでありながらも、細部のトーンや際の処理には敏感に神経を研ぎ澄ませる。そして最終的には自分自身が純粋に「良い」と思った感覚だけがそこに残る。画面とのやりとりが、自己と向き合った時間や記憶の集積が強度を持った結晶として1つの形を成す。その時初めて私は喜びを感じる。
記憶は創作を通して記録される。絵画は自分自身という存在を忘れずにいるための装置である。
香月 (Katsuki)
佐賀県生まれ
2017 佐賀北高等学校普通科芸術コース 卒業
2023 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業
同大学院造形研究科油絵コース 在籍
主な展示歴:
2024
インターアート7セレクション 食・礼賛2
2023
vol.1:「つくりたいものがある展」(+NARU NIHONBASHI)
3人展「離れ離れ」(moon gallery & studio)
武蔵野美術大学芸術祭 個展「RESTLESSNESS」(武蔵美)
中国美術学院×武蔵野美術大学 中日共同クリエイティブ作品展覧会「存在&場所精神」(中国・良渚文化芸術センター)
「ギャラリーフィルモ展」(ギャラリーフィルモ)
東京五大美術連合卒業・修了制作展 (国立新美術館)
武蔵野美術大学卒業・修了制作展 (武蔵美)
2022
個展 “Couronne et Champ” (ギャラリーフィルモ)
第2回 現代アーティストの集大と創造性 (アートギャラリー北野)
第72回 佐賀県美術展覧会 (佐賀県立美術館)
2021
Casieギャラリーinマールカフェ(マールカフェ)
「新春・現代作家小品展2021 ANMUSEUM X」(ギャラリーくぼた)
2020
平和芸術展2020(ギャラリーくぼた)
Gallery TK2
東京都中央区日本橋久松町4-6 杉山ビル4階
都営新宿線馬喰横山駅 A3出口から2分
都営浅草線東日本橋駅 B2出口から3分
JR総武線快速馬喰町駅 1番出口から6分
メトロ日比谷線小伝馬町駅 1番出口から8分
e-Mail info@interart7.com
TEL 03-3527-2226