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インターアート7セレクション
neuronoa・足立真輝・新埜康平・ナカバヤシアリサ・栁澤貴彦
「liminal」

euronoa・足立真輝・新埜康平・ナカバヤシアリサ・栁澤貴彦 「liminal」

 

会期|2023年2月15日(水)~2月26日(日)

時間|水-金13:00-19:30 土日祝12:00-18:00

休廊日|月火

https://www.interart7.com/

 

それぞれが独自の個性と明解な作品の方向性を持った、5名の作家の作品をご紹介します。

neuronoa / ニューロノア

ステートメント:

現代社会において情報そのものの価値は日々薄れていくように感じます。

そして、情報で溢れる社会で我々は自身のアイデンティティを失いかけているようにも感じます。neuronoaの作品は情報社会のアイコンとして著名人をモチーフにし、その著名人の表情を大量の絵具で覆い隠したポートレートです。

溢れる情報のメタファーとして絵具を扱い、何度も塗り重ねることで著名人の重要な特徴である視覚情報は失われ、この工程を繰り返すことで独自の情報が生成されます。そして、それは鑑賞者の記憶とつながり、鑑賞者自身にしか見えない表情を想起させます。

現出する喜怒哀楽。感情のゆらぎ。解放される思考。明晰となる枢要。

それは作品を鑑賞する現在と過去を媒介し、過去からより壮麗な未来を導く暗示となる。neuronoaの作品が、鑑賞者のアイデンティティを研ぎ澄まし、現代社会をあるがままに見るトリガーになることを願っています。

 

プロフィール:

世界30カ国以上を放浪しながら、音楽、デザイン、映像などを制作するクリエイターとして活動後、2021年から本格的にアート制作を始める。「情報社会」というコンセプトを機軸に、ミュージシャンや俳優などの著名な人物をモチーフにした抽象画を制作。人物の表情が読み取れない程に抽象化した表現によって「情報社会」における「真のアイデンティティとは何か」を問う。アートの枠を超えて、国内・海外問わず様々なジャンルのプロジェクトに精力的に関わり活動中。常に作品にフォーカスして欲しいという想いから、国籍・性別・年齢・素顔などは一貫して非公開としている。 

 

 

足立真輝 (Adachi Masaki)

ステートメント:

私の作品は、直線的なモチーフの集積と反復によって表現した、抽象化された記憶の空間である。私は常に、デザインプロセスの中で生成されるもの、特に未完成の建築模型のような、その破片を触媒に自身の身体的記憶(出来事やその意味をキャンセルした記憶)が再編成されるメディアに惹かれてきた。 紙や木のような身近な素材を建築の構成要素への「見立て」によって組み立てる建築模型は、ちょうど枯山水のように、直接的な肉体の侵入を禁止することで、所有者不在の普遍的な身体的記憶を他者と共有するはたらきがある。 私はそのような性質を持ったメディアの生成行為が、記憶の中で際限なく広がるオブセッショナルな形象を有限化し、その破片を実空間に呈示するためのシステムとして機能するのではないかと考えた。 身体的記憶に内在するパターンやリズムを、直交するpathとedgeで構成した線的なエレメントに還元し、ちょうどエチュードを作曲するように、時間的な方向性を持って生成された最小単位を反復していく。 夢や記憶の中の身体性、その感覚がどのように物質界にフィードバックし得るか、またそれを媒介に他者と共有されるモデルネの幻想に興味がある。

 

プロフィール:

2016 京都芸術大学大学院 建築デザイン分野修了(芸術修士取得)

2014 関東学院大学 工学部建築学科卒業(学士号取得/関和明研究室

 

 

新埜康平 (Arano Kohei)

ステートメント:

東京生まれ。

東京を拠点に活動し、展覧会などを中心に参加している。

ストリートカルチャーや映画の影響を受け、仮名の人物や情景、日々の生活に根差した等身大のイメージをモチーフに制作。余白やタギング(文字)の画面構成等、様々な絵画的要素を取り入れている。

VHSがDVDに変わる頃、ワゴンセールで買い漁ったレンタル落ちのVHSの中にあったガス・ヴァン・サントやテリー・ギリアム、ジム・ジャームッシュなどの90‘s映画の影響を受けた新埜の絵画空間は、映画やアニメのコンテのようにストーリー性があり、それは漫画の3コマ目のようなもので、その先や前にもシーンがあるかのように映し出されている。普遍的な日常を映画のワンシーンのように描き、画面の中にある枠は誰しも自然に行なっている記憶を切り取ると言う行為を漫画や絵コンテなどでみられるコマ割のように落とし込んでいる。

基本画材として日本画材の膠や和紙、胡粉などの顔料を使っている。膠や和紙、胡粉や顔料などは古典的な日本画の技法で古くから日本に伝わる伝統的な絵画表現であり、滲みやたらし込み技法などそれらの素材の特異性を使いながら映画やストリートカルチャーという影響を取り入れたモチーフをミックスさせ、日本画技法×ストリートの作品を作っている。また支持体に厚みを持たせ立体作品としての性質を加えることで、ブラウン管テレビのようなイメージを伝達するBOXのようにしている。東京の下町に育った新埜は街に多く見られたウォールアートやスケートボード、HIPHOPなどのストリートカルチャーに興味を持ち、単独で行ったL.Aでのストリートカルチャーの影響も受け、それらを街の色として認識してきた。街の壁に残された文字やアスファルトを滑る音、HIPHOPのサンプリングはその街の歴史や空気を伝える一つのサインであると考えている。街や人という社会を構成するものに着目し、それらの視点をサンプリング(再構成)すると既存の製品や情景は明るい陽光が感じられるような、POPな色彩を放っている。そんな日々の生活に根差した等身大のモチーフで新たなイメージを作り出す作品を多く手がけている。

ナカバヤシアリサ  (Nakabayashi Arisa)

ステートメント:

抽象はより生々しい現実なのか。

絵画なのか滲み(にじみ)なのか。

ナカバヤシはスムースな支持体の上に、オートマティズムと素早いブラシストロークで森や川にも見える滲みのようなものを描く。

道に出ないようにと不自然にカットされた街路樹は誰もその声に耳を傾けてもらえなかった彼女に、庭園を流れる水は人から守られ暗闇を出ることのない彼に、一見すると風景画にも見える絵が生々しい人々のリアルとして表現されている。

そこに描かれたものは、鑑賞者のバックグラウンドや世の中の課題によってたえず変化し、絵画の身体を経験させ他人の痛みを想像させる装置となり得る。

私は幼い頃から日本という国で女性として生きてきて、癒しがたい肉体の苦しみを感じてきた。

その傷を癒すための作業なのか、それとも今助けを求めている人に手を差し伸べるためなのか。

どちらかだけということはないはずだ。そんな自分の世界を物質化する行為は、誰かを理解する術であり、社会との繋がりにもなっている。

 

プロフィール:

1992 東京都新宿区に生まれる 

2017 多摩美術大学 美術学部絵画学科 油画専攻 卒業

2018 相模原にある共同スタジオ「LION」加入

2022 相模原にある共同スタジオ「アトリエボイス」で制作中

 

 

栁澤貴彦 (Yanagisawa Takahiko)

ステートメント:

エスキモーには雪を表す言葉が状況や状態によって複数あるらしい。日本には季節やその様子から雨を表す言葉が数百はあるとのこと。世界各国の訳しづらい、日本語に相当する言葉がないものや、その逆も然り日本語独自の言葉もある。世界は言葉や意味で溢れている。あらゆるものが意味を与えられ、名前をつけられている。自分は何かになってしまうのが怖いので、なるべく捉え所の無いもの、なんとも言い難いものを作っていきたい。

 

プロフィール:

1987年生まれ

2015 桑沢デザイン卒。

 

Gallery TK2

東京都中央区日本橋久松町4-6 杉山ビル4階

都営新宿線馬喰横山駅 A3出口から2分

都営浅草線東日本橋駅 B2出口から3分

JR総武線快速馬喰町駅 1番出口から6分

メトロ日比谷線小伝馬町駅 1番出口から8分

info@interart7.com

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